天才、超一流と呼ばれた偉人達。

モーツアルト、タイガー・ウッズ、イチロー、アインシュタイン

 

彼らは本当に生まれながらの天才だったのでしょうか?

それとも努力のたわものなのでしょうか。

アメリカの心理学教授アンダース・エリクソンが30年にもわたる

研究をもとにした超大作

「超一流になるのは才能か努力か」

が教育に関わる人であれば絶対に読むべきだと感じたので紹介します。

超一流になるには才能は一切関係ない

超一流と呼ばれる人たちは長い間「天性の才能」があるとされてきました。

モーツアルトがはじめて大舞台でピアノを演奏した時、椅子から地面に足が届かないほど小さかったそうです。

また、8歳のころから世に知られるような曲の作曲をしたと言われていました。

 

他にも、伝説と言われるような偉業を成し遂げ来てきた超一流の人たちは若い頃から、天性の才能があると言われてきました。

 

しかし、近年の研究から、才能や遺伝的な影響は一切能力には関係ないということがわかってきました。

 

それでは、超一流になる人、そうでないと人たちの違いはどこにあるのでしょうか?

それは、

「練習量」×「練習の質」

で表現される単純な法則でした。

以下で詳細について紹介します。

超一流になるための努力の方法とは?

超一流になるための努力の方法の一つは、

「練習量」

です。

ここで思い出されるのは、

よく知られている「一万時間の法則」

かと思います。

 

一万時間の法則とは、一万時間行えば誰でも超一流と呼ばれる領域に到達できるという法則です。

しかし、それは間違いで大きな欠陥があると、アンダースは本の中で述べています。

 

間違っている点は、

①一万時間で超一流になれる

②一万時間どんな形でも良いので練習をすれば超一流になれる

と思われている2点です。

 

正確に述べると、

超一流になるには

①練習量は非常に大事である。だが、分野によって一万時間以下でもいいし、一万時間以上でなければいけないこともある。

②どんな形でも練習をすれば超一流になるのではなく、「限界的練習」を継続して行った者のみ超一流になることができる

です。

 

①に関しては、他の人達が同様に一万時間行って、限界的練習を行っている場合は、それ以上行わなければならず、逆の場合は一万時間以下になることがあるということです。

自分の限界を超えた練習「限界的練習」を行う

それでは限界的練習とは何なのでしょうか?

 

その名の通り、

「自分の限界を超えた、自分が快適だと感じた状態(コンフォートゾーン)を一歩出た状態で練習を行うこと」

です。

 

限界的練習を行わない限り人は成長しないどころか後退します。

例えば、医者の多くがこの限界的練習を行っておらず、既存の技術に満足して、自分ができる範囲でしか行わないために、技術が下がっていくということが示されている例もあります。

 

それではいかにこの限界的練習を行うのでしょうか。

 

限界的練習を行うのに必要な条件

上記で述べた限界的練習を行うのに必要な条件は以下のような条件だと、アンダースは述べています。

 

1.すでに他の人によって正しいやり方が明らかにされ、練習を計画できる人が設計・監督する

2.コンフォートゾーンを超えるもの。常に自分の限界の一歩先を行くものを行う

3.限界的練習には明確に定義された目的・目標がある

4.全神経を集中して、意識的に行う必要がある

5.フィードバックが必要である。フィードバックをもとにして、取り組み方を修正する必要がある

6.限界的練習によって自分の中にある技能に対するイメージ(心的イメージ)を修正する

7.すでに習得したものを改善していくのに時間を費やす。基本に立ち戻るということのないようにする

 

このように、限界的練習を行って超一流を目指すには、

「明確にした目標に向かって、常に自分の限界を超えた練習を、一歩一歩集中して行う。

その際、その道に精通した人による練習の設計と監督を行ってもらい、常にフィードバックから自分を改善していく状態を作り出す」

ことによって達成されます。

 

また、大抵この作業は孤独で、楽しくなく、超一流になるためには、非常につらい道を進むことが必要になっています。

 

超一流になる方法を教育現場にいかす

超一流になるためには、上記の条件にあるような練習をする必要があります。

 

従来の教育では、特にフィードバックの部分があまり重要視されてきませんでした。

また、明確な目標に対して、向かうときに、

「知識として何を知るか」よりも「技能として何ができるか」

が重要であると、本の中では述べられています。

 

それぞれの条件に合わせて授業を改変することで、従来の教授法とくらべて圧倒的に良い成果を得た教授がいます。

 

特に知られているのが、ブリティッシュコロンビア大学のカール・ワイマン教授が実際にこの限界的練習を取り入れて行った授業です。

実際に、限界的練習を取り入れたことで、生徒が授業に対して積極的に参加するようになる率は劇的に増え、限界的練習を取り入れていない比較対象のための生徒と比べ、正答率もなんと2倍になったそうです!

 

これらの手法はアクティブラーニングの一種として呼ばれ、教育の世界でも非常に注目されています。

 

今回この「超一流になるのは才能か努力か」を読んだことで、個人的な学習プランを考え直しただけでなく、教育の現場で使っていったらいかに変わるのだろうというのを想像しました。

是非、一度読んでみるべき本として強く薦めます。

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